パルミジャーノ・レッジャーノについて

イタリアのチーズの「王様」と言われ、900年も前から変わらぬパルミジャーノ・レッジャーノは、1995年にDOC、1965年にDOPチーズに認定された硬質チーズです。パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、レノ川左岸のボローニャ、ポー川右岸のマントヴァのみが生産地として認められています。圧搾工程はありません。牛乳の乳酸菌を増殖させ乳酸発酵を促したチーズ種と凝乳酵素に加え、前日の晩と当日の朝の2種類の牛乳を合わせて仕込むことで、味と品質を一定に保ちます。以前は熟成期間が長いほど良いとされ、3年以上熟成するものもありましたが、近年ではミルクの甘み、熟成の旨み、そして苦味などのバランスを考えて熟成期間は短くなっています。外皮は黄金色で脂肪が滲み出しています。生地は、象牙白色や麦わら色の細かくもろい粒から出来ています。平均24ヶ月という、長い熟成期間の結果生まれる白い結晶が特徴で、繊細な風味と豊かな味わいがあります。直径34~45cmの円筒形で、重さは24~40Kg、脂肪分33%です。よく似たグラーナ・パダーノと比較すると、パルミジャーノ・レッジャーノは生産地が限定されており、最低熟成期間はも長くなっています。熟成期間の違いによって12ヶ月熟成、18ヶ月熟成(アラゴスタ/封蝋)、22ヶ月熟成(アルジェント/銀)、30ヶ月熟成(オーロ/金)と4種類に分けられて出荷されます。長いものほど熟成感が濃厚です。そのまま食べると塩味にわずかな甘みがバランスよく混ざり、絶品の味わいを楽しめます。サルーミや新鮮な果物、なかでも洋ナシと合わせたり、バルサミコ酢とも最高の相性です。またパスタなどにおろしてかけたり、カットしたものをスプマンテと一緒に味わうのも一般的です。おいしくいただくにはラップに包んで密閉袋に入れ、10℃くらいで保存し、食べる1時間前には常温に置いて、必ず専用のくさび形ナイフで”砕いて”食べること。カルシウム分の多いチーズなので、赤ちゃんの歯の成長や高齢者の骨粗鬆症によいとされています。

"ワインとの相性"

パルミジャーノ・レッジャーノは世界中でその名を知られ、万人が認める「チーズの王様」です。ただ、外国でパルメサンと呼ばれて料理に使う食材として流通するようになって、残念なことにこの名前は安っぽいものになってしまいました。長年、人々は習慣として柔らかいチーズには赤ワイン、硬いチーズには白ワインを飲んできました。その理由は柔らかいチーズに対しては赤ワインの強い香りでチーズの匂いを押さえ、またそのタンニン分で口中をさっぱりさせるということです。

従って、このチーズに向くワインの第一選択は若いチーズで前菜であればこの地方のDOPコッリ・ディ・パルマ・マルヴァージャ(辛口)か隣の地方のDOPアルバーナ・ディ・ロマーニャです。実際にはコースの肉料理にあわせて注文した赤のDOPサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャをそのままチーズでも続けることも多く、また、パルマ、レッジョ・エミーリア、モデナと続くこのイタリア随一の美食地帯ではこってりとした肉料理にあわせて口中を洗う、この地方の弱発泡性DOPランブルスコ・レッジャーノなどがしばしば用いられます。もちろん、外国向きの中甘口のものではなく、地元用の辛口のセッコです。

パルミジャーノ・レッジャーノは、長年熟成したものであれば、濃い黄金色、深く豊かな味わい、キラキラと星のように輝くアミノ酸の結晶などが王者の貫禄を醸し出し、格の合う、イタリアの最も偉大なワインの一つ、DOPアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ(ヴェネト)と共にゆっくりと楽しめるチーズです。

巨大なこのチーズの中央をくりぬいて、そこにこのチーズであえたパスタやリゾットを盛り上げて出す料理の豪快さは、イタリア人の美食への飽くなき探究心と芸術的センスの融合の表れとも言えるでしょう。

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