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イタリアワインの歴史
古代ローマにワイン造りの知識をもたらしたのはギリシャ人ですが、その知識の中で最も役に立ったのはぶどう樹の枝の剪定(せんてい)という技術でした。剪定は枝の数を減らして残されたぶどう果汁の糖度を高めるために行いますが、これによってワインの質が向上したと推測されます。古代ローマ人はさらにその土地の土壌に最も適したぶどうを選んで栽培したのでワインの質はさらに良くなりました。西暦紀元前4~3世紀頃にはイタリア各地でワインが造られるようになり、ギリシャ人はイタリア半島を羨望の気持ちを込めて「エントリーァ・テルス」(ワインを造る大地)と呼んだほどでした。その後、ローマ帝国の領域がヨーロッパ全体に及び、ゲルマニア(ドイツ)、ガリア(フランス)、ヒスパニア(スペイン)などの植民地へ出征した兵士たちが植樹したぶどう樹が今日それらの国々のワインになっていることはイタリア人の誇りです。
中世には異民族の侵入など障害があったものの、ぶどうとワインの生産はキリスト教徒たちの手で護られ11世紀頃にはワインは街の食堂でカラフェに入れ出されました。17世紀からはガラス瓶で市販されるようになり、ワインは民衆の飲み物として定着しました。18世紀後半にはイギリス人のジョーン・ウッドハウスがシチリア島で白ワインの一部を蒸留して得たアルコールを白ワインに加えた酒精強化ワインのマルサーラを造ってイギリスへ輸出するなどのイタリアワインも国際化の道を歩むことになりました。イタリアワインが国際的に評価されるようになったのは1873年のウィーン万国博覧会での多数のワインが入賞したことがきっかけで、それ以来輸出が増えることになりましたが、その先頭を走ったのはキアンティ・バローネ・リカーゾリでした。
イタリアはぶどう栽培とワイン造りに必要な風土(気候・地形・土壌)に恵まれており、現在でも20州全てでワインを生産しています。また、南北に長く、各地の気候が微妙に異なるのでワインも多様です。イタリアは今も古代ギリシャ人が憧れた「エノトリーア・テルス」なのです。



